Journal of Society of Cosmetic Chemists of Japan, volume 58, issue 2, pages 129-138
W/O Emulsions Stabilized by Supramolecular Complexes Oriented at the Oil-Water Interface
Naoaki Toyoda
1
,
Hitoshi Sawada
1
,
Katsuhiro Yamamoto
2
1
Research Laboratories, Nippon Menard Cosmetic Co., Ltd.
2
Graduate School of Engineering, Nagoya institute of Technology
|
Publication type: Journal Article
Publication date: 2024-06-20
SJR: —
CiteScore: —
Impact factor: —
ISSN: 03875253, 18844146, 18844138
Abstract
ポリエチレングリコール (PEG) 変性シリコーンは, 油中水型 (W/O) 乳化の界面活性剤として汎用されるが, 一般に高温保存における乳化安定性が低いとされている。これは, 高温においてPEGが脱水和され疎水的となり, 油水界面から脱離することに起因すると考えられる。一方, シクロデキストリン (CD) は, 疎水的な内部空孔を有する水溶性の環状化合物であり, 一般に低分子物質の包接挙動がしられている。われわれは, HLB 4.5のPEG変性シリコーン (PEG-MS) とα-CDとを併用したW/O乳化系において, 高温保存における顕著な乳化安定化効果を見出した。本研究では, 動的粘弾性測定, 熱分析, および両親媒性スピンプローブを用いた界面膜粘性測定等により, 乳化安定化メカニズムを調査した。その結果, PEG-MSとα-CDが疎水性相互作用を駆動力とした超分子複合体を形成することが示され, これが油水界面に効率的に配向することで乳化安定性の向上に寄与するものと考えられた。本技術によれば, 感触に影響を及ぼす界面活性剤, および油相増粘剤の配合量を最小限に抑えることができ, 乳化安定性と良好な感触特性を両立したW/O製剤を創出することができると考えられる。
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